税理士事務所・会計事務所の営業がうまくいかず、悩んでいる方はいませんか? ホームページやSNSアカウントを作ってみたり、見込み客に電話営業をかけてみたり……。いろんな方法を試していると、「チラシ集客はどうなの? 」と選択肢が見えてくるかもしれません。
今回は、税理士の営業ツールとして今なお効果が期待できる「チラシ集客」に焦点を当て、チラシ集客の効果や作成するときのポイントを解説していきます。
税理士の営業におけるチラシの目的・メリット
顧問先を獲得するための営業ツールとしてチラシを作ろうと考えている税理士のなかには、本当に効果があるのだろうか? と疑問に感じている方も多いかもしれません。インターネットが主流になった今、新聞の折り込みやポスティング、DMなどで反応が得られるのか、半信半疑でこちらの記事にたどり着いた方もいるでしょう。
しかし、実際にチラシでの営業で集客が成功している税理士事務所・会計事務所もたくさんあります。営業ツールとしてチラシが果たす役割はどういったものなのでしょうか? 税理士がチラシを使って集客する目的とメリットを解説します。
■税理士の集客にチラシを利用するメリット
税理士の集客にチラシを利用するメリットとしては、以下のようなものがあります。
- プッシュ型営業のため存在を認知してもらえる
- 配布範囲を限定することでターゲットを絞れる
- 定期的に配布することで信頼関係を築ける
- 配布する以外にも利用できる
チラシによる集客は、お客さまからのアクションを待つ「プル型営業(ホームページやWeb広告など)」とは異なり、こちらから積極的に働きかけていく「プッシュ型営業」です。そのため、あなたの事務所がここにありますよ、と存在を認知してもらいやすいメリットがあります。
また、配布範囲を限定することができるので、ご近所さんなど見込み客へのアプローチが容易となります。たとえば、相続や所得税を専門に扱うなら個人宅のポストへ、会計税務であれば企業へ郵送するのがよいでしょう。
さらに、相手にとって有益な情報を、交流会や紹介などで名刺交換をした人に対して定期的に配布することで信頼関係を築くこともできます。お客さまは、依頼する税理士がどのような人か分からないままお金を払うことはしません。その際、商品やオファーの説明だけでなく、お客様にとってのベネフィットやあなたの人柄や業務にかける思いなど、相手に興味を持ってもらえる情報や、あたな自身のストーリーをニュースレター形式で伝えられるのも、チラシのメリットだといえます。
そして、完成したチラシは、交流会や紹介の際に名刺とともに渡すといったように、ポスティングなどで配布する以外にも活用できます。
折込チラシとDMの違いは? チラシ集客の種類
ひと言にチラシ集客といっても、チラシの種類によって向き不向きや効果は異なります。ここでは新聞などへの折込チラシ・個人宅や企業へのポスティングと、ハガキなどを郵送するDM・FAX-DMについて、それぞれの特徴を解説します。
■折込/ポスティング
私たちが「チラシ」と言うとき、一般的には新聞と一緒に届く折込チラシや自宅・企業のポストへ投函(ポスティング)されるチラシを指しています。折込チラシやポスティングの特徴は、基本的にターゲットを絞らないため、不特定多数の人に見てもらえることです。特定の新聞を取っている人たち、特定の地域に住んでいる人たちへ大量に届けられるので、事務所の認知度を上げることができ、見込み客を増やす効果があります。
■DM/FAX-DM
一方、DM(ダイレクトメール)やFAX-DMは、送り先の住所やFAX番号を知って初めて送ることができます。ターゲットを年齢や性別、地域、サービス利用履歴などのセグメントに分け、それぞれに合った内容のDMを発信できるため、より高い反応率が期待できます。ただし、DMには制作費に加えて送料などがかかるため、チラシに比べると1通あたりの費用は高くなります。また、送り先の顧客情報を事前に集めるかリストを購入する必要があります。
デザイン会社に依頼する? チラシ・DMの作成方法と費用
チラシ・DMによる集客を考える場合、どうやって作成すればよいのでしょうか? 集客用のチラシ・DMを作成する方法と費用についてご説明します。
■どこに頼めばいいのか? チラシ・DMの作成方法
集客用のチラシを作成する方法は主に以下の4通りです。
- デザイン事務所や広告代理店にお願いする
- フリーランスのデザイナーへ発注する
- 士業の集客に実績のあるコンサルタントへ依頼する
- チラシ作成ツール・テンプレートを使う
税理士がチラシ・DMを作るときにもっとも手間がかからないのが、チラシ制作会社やデザイン会社にお願いする方法です。士業に限らずいろんな分野のチラシ制作の実績がある会社には、反応率のよいチラシをデザインするノウハウがあります。
デザイン費を抑えたい場合は、クラウドソーシングを使ってフリーランスのデザイナーへお願いするのも一つです。人気のデザイナーであれば制作会社よりも高くなることがありますが、独立したてのデザイナーは実績作りのため低価格で依頼を請けてくれる場合も多いです。ただし、品質に満足できず作り直しになるといったことも起こり得るので注意しましょう。
ここで注意しておきたいのが、デザイン事務所や広告代理店、フリーランスのデザイナーへ作成を依頼する場合、ご自身でチラシ・DMのコピーを書く必要があるということです。あなたが反応率を見込める文章を書けて、かつディレクションができるのであれば、いずれの方法でも効果を期待できます。しかし、コピーライティングに自信がなければ、士業の集客に実績のあるコンサルタントに依頼するほうがよいと思います。
また、制作会社やデザイナーに頼むのではなく、自分で作る方法もあります。チラシ用のテンプレートをもとに自作できるWebサイトやオンラインサービスを使うと、専門的な知識がなくても簡単にチラシを作ることができます。この場合、かかる費用は印刷費のみです。
■チラシ・DM制作にかかる費用(制作費・広告費)
チラシ・DM制作にかかる費用は、
- クラウドソーシング:~3万円
- フリーランスのデザイナー:~5万円
- デザイン事務所(広告代理店):~15万円
といった価格帯となります。
チラシ制作会社・デザイン事務所にお願いする場合のデザイン料の相場は、だいたいA4サイズ片面で5,000円〜50,000円前後、平均すると20,000円ほどです。カラーの多さやデザイン性の高さによって価格設定が異なります。印刷とセットで注文すると1,000枚で30,000円前後のところが多いです。フリーランスのデザイナーの場合は少し価格が抑えられ、だいたい5万円以内に収まるでしょう。
チラシやDMは、作って終わりではありません。上記の制作費のほか、郵送サービスやFAX送信などの広告費が必要です。
チラシとDM、それぞれ標準的な広告費は、
- 折込チラシ:B4チラシで~4円/部(地域により異なる)
- ポスティング:エリア内全戸配布で6~10円/部(期間・地域により異なる)
- DM:郵便サービスで~160円(サイズ、重さにより異なる)
- FAX-DM:リストレンタルと送信セットで~10円
これくらいが目安となります。
ただし、チラシやDM作成の費用を考えるときは、制作費や広告費よりも費用対効果を見るのが適切です。
チラシ集客の費用対効果は、
見込み客獲得あたりの単価 = 配布単価/反応率(=反応数/総配布数)
という計算式で計測することができます。
【事例】効果はどれくらい?実際に成果があったチラシ・DM
チラシ・DMによる集客を検討している税理士であれば、実際にどのくらいの効果があるのか気になるところだと思います。当サイトを運営するアルセーヌ株式会社では、これまで多くの税理士事務所からご依頼をいただき、以下のような実績を重ねてきました。
1.全国に郵送DMとして配布したチラシで提携の会計事務所を20以上開拓し、毎年1000万円以上の売上を確保した税理士
2.問い合わせがあった見込み客に対して経理代行のチラシを使って説明し、新規クライアントの平均単価を1万円アップした税理士
3.顧問先にチラシを使って定期的なセミナー集客を行い、コンサルティングサービスでアップセル(より高価なサービスを買ってもらうこと)をした税理士
4.新設法人にDMを送り、おおよそ1%の反応率を出した税理士
5.相続の折込チラシを8万枚撒いて、40件以上の問合せを獲得し、25件の個別相談に移行し、13件以上の案件を獲得した司法書士
6.相続対策セミナーの折込チラシを、31,200(15,600×2回)枚撒いて、30名以上が参加し、7件が案件につながった司法書士
ここで、とくに効果の高かったDM・チラシ集客の事例を、制作における工夫のポイントを交えてご紹介します。
1.DMを送付して毎年1000万円以上の売上を確保した税理士
名古屋の「税理士法人エール」による、会計事務所へ向けた集客セミナーに関するDMです。有料のセミナーですが、3回に分けて送付し、0.3%程度の反応がありました。このDMからのセミナーで提携事務所を増やしていき、2年で業界トップシェアのサービスに育っています。
この事例では、「開業6年未満の税理士・会計士」にターゲットを絞ってDMを送付したことで、高い反応率が得られました。さらに、オファーを信頼してもらうため、キャッチコピーを変えたDMを同じターゲットへ3回に分けて送り、接触頻度を高める工夫をしました。これは、任意の送り先にアプローチができるDMのメリットを存分に生かしています。
2.経理代行のチラシで新規クライアントの平均単価を1万円アップした税理士
同じく名古屋の税理士事務所「株式会社アイフロント」の集客用チラシです。こちらは見込み客用に手渡しで配布したため反応率は不明ですが、新規クライアントの顧客単価を1万円押し上げました。
見込み客へこちらから働きかけていく「プッシュ型集客」というチラシの特性を生かし、クロスセル用(他の商品を併せて購入してもらうマーケティング手法)の新しい商品を既存客へ知ってもらうために配布しました。このチラシによって経理代行サービスの存在を認知してもらい、成約につなげることに成功しました。
ちなみに、反応率の基準は、チラシやDMの内容がターゲットのベネフィットに訴求できている場合、折込チラシ・ポスティングで0.1~0.3%、郵送DMで0.3~1%、FAX-DMで0.06~0.5%程度がよいといわれています。ちなみに、チラシにマンガを使うと反応が高くなる傾向(~1.7倍程度)にあります。
チラシを作成するときに必要な3つの考え方
チラシ制作会社やデザイン会社のなかには、チラシの原稿に関して、企画からヒアリングまでを請け負ってくれるところもあります。しかし、そういった会社は軒並み費用が高く設定されています。また、ほとんどの制作会社では、デザインのみを手がけ、原稿は依頼主の持ち込みといった形をとっています。
しかし、よいデザインだけではお客さまの心を掴むことはできません。反応率の高いチラシを作成するには、チラシに「何をどんなふうに書くか」といった「中身」の部分がもっとも重要です。ここでは、デザイン会社にお願いするとき・自分で作るときのどちらにおいても重要となる「チラシ作成の基本となる考え方」を3つご紹介します。
1.「誰に」伝えるか明確にする
税理士の営業ツールとしてチラシを作成する際に、まず考える必要があるのが、チラシの内容を「誰に」伝えるかという「ターゲット」の部分です。たとえばこんな話を聞いたことはないでしょうか?
- チラシを手にした90%以上の人は読まずに捨てる
- 読む価値があるかはゴミ箱の上で精査される
- チラシの反応率は0.3%あれば良いほう ect.
つまり、手にとったチラシをきちんと読み込んでくれる人はほとんどいないということです。そのため集客用のチラシは、「いかに読んでもらうか」が鍵となるのです。チラシに目を通してもらうためには、まず「ここに書かれているのは自分のことだ」と思ってもらう必要があります。
たとえば、「税のことならなんでもお任せください」といった、業務内容を淡々と並べただけの曖昧なチラシでは、「自分のことじゃない、今じゃなくてもいいか」とゴミ箱行きになってしまいます。チラシを手にした人がぱっと見たときに、対象者の性別や年齢層、個人向けなのか企業向けなのか、といった「ペルソナ」がはっきりしていれば、少なくとも読み進めてもらえます。
2.お客さまにとってのメリットを伝える
チラシの訴求点を「誰に」伝えるか明確にしたら、次は、そのターゲットがアクションを起こすきっかけを作る必要があります。このときよく使われるのが「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」といった考え方です。その名の通り「自社ならではの強み・特徴」のことで、なぜあなたの事務所に依頼するとよいのか、なぜこの相談会に参加するとよいのか、というように、オファーを受け取るお客さまへ「なぜ他社ではなくあなたの事務所を選ぶべきなのか」を示します。
このとき、オファーの内容・特徴をただ述べるだけでは意味がありません。お客さまの悩みを提示し、「このオファーを受け取ることであなたの悩みはこう解決しますよ」と、アクションを起こすことによって得られるメリットを具体的にイメージできる内容を盛り込むのが重要です。
3.税理士の「顔」が分かるものを載せる
チラシによる集客では、お客さまに「まず読んでもらい、信頼してもらい、そして申し込んでもらう」というプロセスを踏んでもらうのが王道です。ターゲットを明確にし、提供するサービス・オファーのメリットを感じてもらっても、税理士であるあなたを信用してもらわないことには「申し込もう・依頼しよう」という気持ちにはなりにくいでしょう。そこで、チラシには「あなたの顔が分かる要素」を入れる必要が出てきます。
「あなたの顔が分かる要素」とは、
- あたなの顔写真
- 仕事に対する思い(ストーリー、エピソード)
- お客さまの声
など、税理士事務所・会計事務所の信頼につながる要素のことです。
お金を扱う税理士・会計士という職業は、「信頼」が第一です。人は、顔の見えない相手を信用しづらい傾向があります。文字通り「あなたの顔」が分かる写真を掲載すれば、どんな人なのかイメージが湧き、安心して依頼・申し込みができます。
また、独立までの経緯やあなたの人柄を物語るエピソードなど、税理士の思いが伝わるストーリーを書いてみるのもよいでしょう。さらに、あなたのサービスやオファーを実際に利用した「お客さまの声」を掲載すれば、間接的に信頼を裏付けることができます。
チラシ集客のポイントは「誰に・何を・どう伝えるか」
ここまで、税理士事務所・会計事務所の営業・集客方法について、チラシを利用するメリットや、チラシ作成時に重要となる考え方を解説してきました。
税理士の営業ツールとしてチラシを作ろうと思い立ったとき、まずデザインをどうしようか、と考える方が多いように思います。しかし、ここまで読んでいただければ分かる通り、お客さんの反応率がよいチラシというのは、デザインよりも「誰に・何を・どう伝えるか」といった「チラシの内容」に重点が置かれています。見た目がきれいなチラシは一瞬目に止まるかもしれませんが、書かれている内容を見て「自分には必要ない、何を伝えたいのかよく分からないな」と思われてしまった途端に、ゴミ箱行きになってしまうのです。
チラシを自分で作成する場合はもちろん、デザイン会社にお願いする場合にも、依頼先に持っていく「原稿」の部分が最も重要だというわけです。
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古くから販促の手段として用いられてきた「チラシ」による集客は、税理士事務所・会計事務所の営業ツールとして今も効果的な方法となっています。チラシに必要な要素は主に「デザイン」と「内容(コピー、文章)」です。そのうち「コピー(文章)」は、チラシを受け取った人がアクションを起こす際の重要なきっかけとなります。
せっかくなら、自社のサービスについてよく理解しているあなた自身で、集客用のコピーを書いてみませんか?
コピーを自分で書くことのメリットは大きく、
- ツールを使って自分でチラシを作れる
- コピーライターがいない制作会社に任せるより質のいいチラシに仕上がる
- デザインのみを制作会社にお願いすれば、費用を抑えられる
- 自社のサービスを最も理解しているご自身が書くことで、訴求力が上がる
など、あなた自身で作るにしても制作会社にお願いするにしても、よいコピーを書ければ集客効果は格段にアップします。
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